線形システムの漸近安定性

目的

線形システムの漸近安定性の条件を述べる。

ざっくり言うと

「制御対象は放置すると暴走するか」を状態空間表現から調べる。

状態空間表現についてはこちらをご覧ください。

 

※以下の議論はすべて \(u = 0\) とします(※1)。

定義(漸近安定性)

システムが漸近安定であるとは、

任意の初期状態 \(x_0\) から出発した状態が \( t \to \infty \) で原点に収束すること。

\[\lim_{t \to \infty} x(t) = 0\]

 

条件

線形システム

\begin{eqnarray}\dot{x}(t) &=& Ax(t)+Bu(t)  \\ y(t)&=&Cx(t) + Du(t) \end{eqnarray}

が漸近安定であることを確認するには、

行列 \(A\) の固有値の実部がすべて負であることを確認すれば良い。

 

以下のシステムの漸近安定性を調べる(\(A\) 以外略)。

\begin{eqnarray}\dot{x}(t) = \begin{pmatrix}0 & 1 \\ -8 & -4 \end{pmatrix}x(t) \end{eqnarray}

 

漸近安定性を調べるには \(A\) の固有値を求めれば良い。

特性方程式は

\[\det(\lambda E – A) = \lambda^2 + 4 \lambda + 8 = 0 \]

よって固有値 \(\lambda\)は

\[\lambda = -2 \pm 2i \ (すべて単解)\]

全固有値の実部が負なので、このシステムは漸近安定である。

 

※1: 漸近安定性は

「\(u=0\)(≒制御対象を放置)したときにシステムが暴走するかどうか」

を調べる理論です。

入力を考慮した安定性は入出力安定性という別の概念です。

 

参考文献

[1] 梶原 “線形システム制御入門,” コロナ社, 2000.

北海道大学大学院情報科学研究科修士課程修了。
機械メーカにて開発業務に従事したのち、フリーのエンジニア・講師として活動中。

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